2015年3月27日 (金)

Raspberry Piをvolumioで音楽サーバーに その1 volumioの導入

PCオーディオの世界にに少し足を踏み入れてしまったようです。ハイレゾの体感やRaspberry Pi2でメディアセンターを構築したりと、あれこれ試行錯誤しています。これで一段落かと考えていたのですが、インターネットで偶然見つけた雑誌が引き金となり、もう少し試行錯誤をすることになりました。それは、CQ出版社の「インターフェース」2014年9月号で、「本格デビュー!ハイレゾLinuxオーディオ」と銘打った特集が組まれていました。(見つけたのは最近で、CQ出版社にバックナンバーを注文して入手しました)記事は回路図が出てきたり、電子工作(はんだ付け)が必要だったりと私にとってはハードルがかなり高かったのですが、Raspberry Piの事例が数多くあり、参考になることも多かったです。そして読んでいるうちに何度も紹介されていたのが、Linuxボードを音楽サーバーにするvolumioというディストリビューションというかアプリケーションです。これを、手元にある初代Raspberry Pi model Bにインストールしたら音楽サーバーとして使えるかな、という気がしてきました。

以前、初代Raspberry PiにRaspyFiというディストリビューションをインストールして音楽が再生できるのを実験したことがあります。あれから1年半が経ち、現在はどうなっているのかとRaspyFiのホームページにアクセスし、Downloadページを開いたところ、関係ないサイトにリンクが張られていました。RaspyFiは開発を終え、volumioが後継となっているようです。今回は、初代Raspberry Piでvolumioを試してみることにしました。この初代Raspberry Piは自宅から少し離れたところにある作業場でファイルサーバーとして利用していたのですが、ちょっとしたファイルの共有などはDropboxの方が便利なのであまり使用していませんでした。そこで作業場の音楽環境をRaspberry Piで作れないかと考えたのです。インターネットでの情報では、volumioはウェブブラウザーで設定ができ、ネットワーク上にあるPCの楽曲を取り込んだり、スマートフォンをリモコンとして利用したりと、とにかく簡単という記載が多かったです。ところが、実際にやってみると思わぬところでつまづいてちょっと苦労しました。ということで、Raspberry Piにvolumioを導入する手順です。

■volumioのダウンロードとSDカードへの書き込み
volumioのホームページ(https://volumio.org/) からDOWNLOADページを開き、RASPBERRY PIを選び(volumioはRaspberry Pi以外にBeagleBone Black、CuBOx、CuBox-i、UDOO、UTILITEなどのボードにも対応しています)ダウンロード。私の場合、バージョンは1.55でした。
Volumio1.55PI.img.zipファイルがダウンロードされるのでzipファイルを展開。 Volumio1.55PI.imgファイルがあるので適当なディレクトリに置く。(Linuxを前提にしています)
ddコマンドで.imgファイルをSDカード(4GB以上が望ましい)に書き込む。

$ sudo dd if= /home/user_name/Volumio1.55PI.img of=/dev/sd○ bs=1M

ここでif=以降の記述は.imgファイルが置いてあるディレクトリを指定します。of=以降/dev/sd○の記述⁽例:/dev/sdb)はSDカードがあるデバイス名を指定します。誤ったデバイス名を指定すると深刻な事態になる可能性があるので慎重に。(dmesgコマンドを実行すると、リストの終わりの方でSDカードのあるデバイス名が確認できます)
Windowsの場合はWin32 Disk Imagerというツールを使います。

■volumioの起動
SDカードへの書き込みが完了すれば、SDカードをRaspberry Piに挿し、USB DAC、LANケーブルを接続し電源を入れます。ディスプレイ、キーボード、マウスの接続は特に必要ありません。私は、初回時に起動が成功したかどうかの確認のため、ディスプレイには接続しました。volumioの起動には1分程度かかります。少し待ちましょう。
起動後、PC、タブレットなどでウェブブラザーを立ち上げ、URL欄にvolumioもしくはvolumio.local/と入力するとvolumioが起動します。(起動が終わっていなければ何も表示されません)
私の場合、Linux(ubuntu)で実行したのですが、 ERR_NAME_NOT_RESOLVEDとなり、volumioが起動できませんでした。名前解決(DNS)がうまくいっていない、ということで、iPhoneのFingアプリで、volumioのIPアドレスを確認して、URL欄にIPアドレスを直接入力したところ、無事volumioが起動しました。後で、WindowsとiOSで試してみると、どちらもvolumio.local/をURL欄に入力することで問題なくvolumioが起動しました。

■NASのマウントにはまる
volumioが起動したので、いよいよ楽曲の再生です。私は、ネットワーク上のサーバーに置いてあるiTunesのファイルの再生をしたいと考えていました。そこで
volumioの画面右上にあるMENUボタンからLibraryを選択
NAS mountsでADD NEW MOUNTボタンを押し、楽曲ファイルのあるサーバーのディレクトリなどを指定します。
ところが、ここでハマってしまいました。散々試行錯誤したのですが、どうしてもサーバーにアクセスできません。
最初は

Last system mount error
mount.nfs: mount point /mnt/NAS/iTunes does not exist

となるのでvolumioにsshでアクセスし、mkdirでマウントポイントを作成したところ、今度は

Last system mount error
mount.nfs: Connection timed out

となります。
インターネットで調べたり、試行錯誤をしたりいろいろと手をつくしましたが結局サーバーにアクセスすることはできませんでした。簡単にできるはずなのにうまくゆかず、ちょっと悔しいです。

■USBメモリーでの再生
ネットワーク接続での楽曲再生ができなかったので、楽曲が再生できるかどうかテストするために、USBメモリに楽曲をコピーし、Raspbery Piに接続し、再起動してvolumioを立ち上げ、画面右上のMENUボタンからLibraryを選択し、画面左上のUPDATE LIBRARYボタンを押し、ライブラリーを更新します。更新が終われば画面面下左のBrowseタブを開き、USBボタンを押すとUSBメモリに保存した楽曲が表示されました。楽曲(またはアルバム)を選択し、右側にあるボタンでAdd,replace and playなどで楽曲をプレイリストに送ると再生を開始します。ようやく音が出ました!
Volumio_browse_5 ブラウザーで起動したvolumioのbrowse画面。再生するアルバムや楽曲を選択します。

Volumio_playback_2 volumioのplayback画面。再生中の楽曲情報が表示されます。

Volumio_playlist volumioのplaylist画面。browse画面で選択した楽曲が表示されます。

(次回に続く)

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2013年2月16日 (土)

「デジタルネイティブの時代」を読んで

以前から「デジタルネイティブ」というと言われる世代の行動特性に興味があり、以前、このブログにも書いたことがあります(これこれ)。最近では、デジタルネイティブだけではなく、「ソーシャルネイティブ」、「スマートネイティブ」などという言葉もみかけるようになりました。2008年にデジタルネイティブのことをNHK特集で放送された時、デジタルネイティブ、つまり生まれた時からデジタル環境にいる世代の特徴として、
     1.現実とネットを区別しない
  2.情報は"無料"と考える
  3.年齢や肩書き、所属を重視しない
とあり、彼らが若くして(中学生!だったと思います)起業したり、知らない人たちと積極的にコミュニケーションを取ったりする姿が印象的でした。デジタルネイティブはこれからどんなことをしてくれるのだろう、という、どちらかというとポジティブな面に関心を持っていて、そこでこの本「デジタルネイティブの時代」(木村忠正著、平凡社新書)を見つけた時、そのようなイメージで読み始めたのですが、期待は見事に裏切られました。

著者の木村忠正さんは文化人類学者で、徹底した学術的アプローチ(調査)でデジタルネイティブ世代を分析します。分析手法にも相当の紙幅が割かれていてかなり「硬い」本です。サブタイトルに「なぜメールをせずに「つぶやく」のか」とありますが、著者は、日本のデジタルネイティブの特性として、「空気を読む圧力」「テンション共有」「高い匿名性指向」「不確実性回避傾向」の4つをあげています。あくまでも対象は「日本」のデジタルネイティブです。

特性の一つである「空気を読む圧力」について言えば、例えばメールでは、メールが来たらすぐに返信しなければならない、すぐに(返信が)返ってこないと、何か悪いことをいったのかという圧力が存在し、人間関係が複雑になる多感な中学生の頃にこうした経験を積み重ねることにより、だんだんメールから遠ざかる、と言うものです。そういう人たちは、空気を読む圧力をあまり感じないtwitterなどを利用するようになると分析しています。こう書くとあっさりしていますが、著者はこのことを多くの調査(Web、聞き取り)により得られたデータを丹念に分析してゆきます。

この本は、デジタルネイティブの世代を必ずしも否定的、悲観的なものとして捉えているわけではありません。ただ、少子高齢化が進む日本で、高度な情報ネットワーク基盤、産業力を日本社会が十分に活かすには上記のデジタルネイティブの特性に見られるような克服すべき課題があると指摘しています。グローバルに情報ネットワークが進化し、それにより政治、産業、文化が大きく変わる可能性を秘めている中、日本だけが取り残されないよう、若い人たちが力を発揮できる環境を作る努力をしなければならないのではと感じました。

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2013年2月 2日 (土)

「これからスマートフォンが起こすこと」を読んで

「これからスマートフォンが起こすこと」(本田雅一著、東洋経済新報社)を読みました。発行は2011年5月と1年半以上前になりますが、内容的に古くはなっていません。むしろ、書かれたことが実現しつつあるとの印象を受けました。サブタイトルには「携帯電話がなくなる!、パソコンは消える!」とちょっと刺激的な表現が使われています。ちなみに私は、amazon Kindle ストアで、電子書籍版を購入しました。

古くは、1990年台以前の日本のPCが日本語対応のために独自規格となっていたのを、業界標準で対応できる技術(DOS/Vのことと思われる)が生まれ、その後の日本のPCメーカーの勢力図が一気に変わったこと、1994年前後、インターネット普及によりPCの使い方やライフスタイルが一変したことを例示し、スマートフォン、タブレットの出現はそれに匹敵する変化を我々にもたらし、これからの世界が大きく変わる、というものです。変化はスマートフォンや、タブレットがもの心ついた頃からすでにあった「スマートネイティブ」によって引き起こされると記載されています。

私は、スマートフォン、タブレットがこれからの世界を変えうるもの、という意見に同意します。また、同氏がスマートフォンは「パソコンと同じようなことができる携帯電話」ではなく、「通話することができるパソコン」(「」内引用)との記載も当を得ていると考えます。そしてこの本を読んで、PCの定義が多様化し、従来のPCという表現だけでは語りきれないモノとサービスが出現している中でレガシーなPCはどうなるのだろう、と言うのが気にかかりました。従来のPCが一気になくなってしまうわけではありません。キーボードを多用する(つまり何かアウトプットを出す)仕事や、特定の業務に密着したアプリケーションの利用などはまだまだ従来のPCの得意とする分野です。でも、それだけのために、メーカーとしては、多くのリソースと資金を投じて最先端のPCを作り続けるのか?というと疑問がないわけではありません。こう考えると従来のPCの未来は暗いものとなってしまいますが、これまでも何度もブレイクスルーを繰り返してきたPCが、スマートフォンとタブレットという大きな変化の波にさらされても、新たなブレイクスルーを引き起こす可能性は残っていると思います。Windows8がそのきっかけになるかどうか、そういう意味では、これから(Windows8以降)のマイクロソフトの取り組みが従来のPCの生き残りのためのキーとなりそうな気がします。1月に開催された国際家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)2013」では、Windows8を搭載し、タッチパネル対応で、タブレットとしても、従来のPCとしても利用できる端末が多く出展されていたようです。将来的には、PCの形がこのようになるのか、あるいは現在は過渡的な状態なのかはまだ分かりません。仮に従来のPCの需要が先細りになるとすれば、最終的なユーザーは、限られた人たちのみになってゆくのかもしれません。

PCが誕生して30年余り、PCは私たちに夢(時に悪夢)と楽しみを与えてくれてきました。仕事や生活の道具としても欠かせないものになりました。そのPCが今後どう変化するのか、この本を読んでデジタルネイティブでも、スマートネイティブでもない私が、従来のPCの将来を愛着と一抹の不安を感じながら思いをはせました。

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2013年1月19日 (土)

アスキー新書を電子書籍で購入

アスキー新書の電子書籍版の一部が2013年1月24日までの期間限定で1冊350円のセールを行なっていたので、amazon Kindleストアで3冊購入しました。Kindleストア以外にも紀伊国屋書店(Kinoppy)、角川書店(BOOKWALKER)でも同時開催しているようです。期間限定ではありますが、電子書籍が安価に購入できるのはありがたいです。

購入したのは

です。IT系というかデジタル関連の書籍ばかりになってしまいました。いずれも最新刊ではありませんが、十分に堪能しました。

「ルポ 電子書籍大国アメリカ」では、電子書籍が広く浸透しているアメリカ(及び英語圏)の出版サイドから見た業界の実態が描かれており、興味深く読みました。これからの日本の電子書籍を考える参考になりそうです。(とは言っても、出版エージェントの存在の有無、電子書籍の値段と印税など、彼我の違いはかなり大きそうです)

「iPhone vs. アンドロイド 日本の最後の勝機を見逃すな!」は、NTTドコモでiモードを立ち上げた夏野剛氏(執筆当時は慶応義塾大学メディア研究所特別招聘教授など)の著書です。なぜ日本の携帯はiPhoneに負けたのか、iモードという最先端の技術と仕組みを持ちながらなぜ世界に進出できなかったのか、そして、このまま日本は低迷してしまうのか、挽回するために必要なことは何か、夏野氏の経験に基づく持論が展開されます。

「ソーシャルネイティブの時代」は、アスキー総研所長の遠藤諭氏が、アスキー総研が2010年末に実施した、MCS2011(メディア&コンテンツサーベイ)という1万人を対象としたアンケート調査の結果から浮き彫りになった、日本人のネット時代の消費行動、ライフスタイルをまとめたものです。この中で、特に20台の若者の行動に着目し、休日のデートをする人の割合の低さ、オタクと呼ばれる人たちの行動、経済的に恵まれていなくともそれなりに満足する生活を送る「ビンボーハッピー」世代の特徴などを取り上げています。私としては、ソーシャルネイティブと呼べるのは20代ではなく、更に若い世代では、と考えているので、もう少し若い世代のことに触れていもらいたかったです。

上記の電子書籍は、いずれもamazon KindlePaperwhiteで読みました。文字の読み易さなどは紙の書籍とほとんど変わりませんが、紙の書籍であれば本の厚みと文字の大きさで、およそのボリュームが分かりますが、電子書籍では、何%読んだか、読了まであとどれだけ時間がかかるかと言う予測が表示がされます。慣れの問題もありますが、同じ50%の読了でも、全体のボリュームが異なれば当然読んだ量も異なります。そのあたりが、残り時間の予測をみてもまだ体感的にピンとこなかったです。

ただ、Kindleストアの存在がなければ多分読むことがなかったであろうこれらの書籍と巡りあえて、こんな形での本との出会いに少し感慨を感じています。

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2013年1月12日 (土)

電子書籍リーダーの将来

日本では2012年後半に各社からの品ぞろえが充実し、これから本格的普及が始まると予想されている電子書籍専用端末(電子書籍リーダー)が米国ではすでに販売が下落傾向になっているそうです。IDCの調査によると、2012年の電子書籍リーダーの世界の販売台数の予想は1990万台で、前年比28%の減少となっているそうです。一方でタブレット端末は2012年度の販売台数(予想)は1億2230万台で、前年比増加しています。すぐに思い当たるのが、7インチを主とする小型、低価格タブレットの普及により、電子書籍リーダーの存在感が相対的に減少しているということです。amazonを例にとると、amazonの電子書籍アプリのKindleは、電子書籍リーダーのKindlePaperwhiteだけでなく、android用、iOS用アプリが無料で導入出来るので、例えばGoogleのNexus7やiPad miniでamazon Kindleの電子書籍が読めます。しかも、これら7インチのタブレットは戦略的と言える低価格で販売されています。GoogleのNexus7 16GB が19,800円で、Kindle Paperwhite Wi-Fi版は、7,980円。確かに価格差はあるものの、機能の豊富さを考えれば1台だけ購入しようとすると、インターネットの閲覧や、SNSが使えるタブレットを選ぶ人が多くいても不思議はありません。こうなると、これから電子書籍リーダーを購入しようとする人は、相当の読書好きで、かつタブレットに興味のない人あるいは、タブレットと2台持ちを考えている人に限られると思われます。電子書籍リーダー市場が相当にニッチなものになってゆくというトレンドは米国ではすでに先行して始まっていると言えます。

私自身、iPad miniとKindlePaperwhite 3Gを2台持ちしていますが、電子書籍リーダーの良い所は、「軽くて持ちやすい」、「電池の持ちが良い」、「電子書籍の購入が簡単」という事で、実際に使うシーンは自宅でゆっくりと読むときに利用しています。外出時は、読書以外の目的にも利用できるiPad miniがやはり便利です。必要なら、iPad miniで読書の続きができるわけですから。

という事で、日本では立ち上がったばかりの電子書籍の市場ですが、電子書籍リーダーという端末に限って言えば、これからは、それほど大きな伸びは期待できないのかもしれません。

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2013年1月 5日 (土)

2013年は何が起きるのだろう

あけましておめでとうございます。

振り返ってみればデジタルの世界では2012年は特に後半に様々な出来事がありました。Windows8の発売、iPhone5の発売、7インチタブレットの発売ラッシュ、各種電子書籍端末の発売など、など。
これらが2013年にどのように進化、浸透して行くのか興味深いところであります。

PC関連ではWindows8の浸透度が気になります。従来のユーザーインターフェースからがらりと変えた新しいデザイン。これが、これからのPCのインターフェースの基本となるのでしょうか。年末商戦ではWindows7の在庫品に注文が集まったと聞いて、ちょっと気になっています。Windows8も含め、PCそのものの需要も気になるところです。好調なスマートフォン、タブレットに消費者はだいぶ流れたのではないでしょうか。これからは、企業でもPCの替わりにタブレットを利用する動きが出てきそうです。企業で、家庭でPCが当たり前と言った時代が変わって、様々なデバイスが台頭して、相対的にPCの必要度が下がるのでは、と考えています。Windows8の発売がその流れを変えることができるのか、ちょっと難しそうな気がします。大好きなPCの元気がなくなる、というのは寂しいことではありますが。

スマートフォンでは、iPhone対Androidの競争が更に熾烈になりそうですね。AppleとSamsungの2大メーカーの対決が今後も続くでしょう。iPhoneのシェアは相変わらず高いもののApple以外のメーカーがAndroidに参入するとiPhoneのシェアも漸減する可能性があります。また、Windows Phoneがどこまで食い込むのか、興味深いです。今のところ日本では未発売で、海外においてもそれほど成功しているとは言えないので、マイクロソフトがどのような戦略を打ち出してくるか、それともこのまま低シェアに甘んじるのか、動向が見放せません。

PCに代わるデバイスとして着実にユーザーを増やしているタブレットですが、2012年前半は、AppleのiPadの独壇場と言えましたが、後半になり、android陣が7インチタブレットを発売し、新しいジャンルを開拓しました。7インチタブレットは、着実にユーザーを獲得しているように見えます。また、Googleなどは、新たに10インチというAppleの一人勝ちの領域にも商品を投入しました。そんな中、マイクロソフトもWindows8の活用の場としてのタブレットの位置づけで、タブレットとPCの両方が使えるような(現時点では)変則的なデバイスが各メーカーから発売されています。企業向けとしては、Windowsのシェアが圧倒的に高いので、その優位性を利用してタブレットで一定のシェアを獲得できるかどうかが見ものです。

電子書籍は、日本では2012年は本当の意味で「電子書籍元年」と位置づけられるかもしれません。それほど多くの電子書籍サイトが立ち上がり、端末が発売されました。また、7インチタブレットも電子書籍端末としての利用を加速する要因となったと考えています。ただし、コンテンツに関しては、まだまだ充分と言える状況ではありません。日本ではどの電子書籍書店も6万冊程度の品ぞろえで、米国などと比較すると著しく見劣りがします。著作権の問題、販売価格の問題、様々なハードルがあると思いますが、出来るだけ多くの書籍が電子書籍として購読できる環境を作って頂きたいと思っています。

2013年の前半は、2012年後半に発表、発売されたデバイス、OSの成果が見える時期になると思われます。更に後半に向けて、消費者があっと驚くようなイノベーションが起こせるかどうか、デジタル業界は今後とも目を離せない状況が続くと思います。

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2012年12月15日 (土)

Kindle Paperwhiteがやってきた

注文していたKindle Paperwhite 3Gがamazonから12月8日に届きました。予約開始日(10月24日)の翌日に予約をしたら、配送予定は12月22日-23日頃となっていたので、気長に待つことにしていましたが、amazonから配送が早くなるとの通知メールを読む前に商品が届いたので、ちょっと驚いたと同時に嬉しかったです。早速開封して初期設定をしました。事前にアカウントが登録されていたので、あとは、言語の設定、Wi-Fiの設定などで設定は簡単に済ませられます。ただ、設定の途中で説明が表示されるのですが、次の画面に進めようとする方法がわからず、なかなか画面が変わらず、ちょっといらいらしました。

初期設定が終わると、ホーム画面にすでにKindle ストアで購入していた電子書籍が表示されます。それと、「Kindle ユーザーズガイド」というマニュアルがインストールされていて、一通り目を通しました。最近はマニュアルが添付されているデバイスが少なくなっている中で、このマニュアルはなかなか良かったです。それからiPad miniで購読中の書籍をKindleで開いてみると、ちゃんとしおりが同期されていて、Kindleで続きを読むことができました。それと、辞書(国語、英和、英英)があらかじめインストールされているのもありがたいです。画面の切り替えなどはちょっともっさりしているな、という感じがしますが、ページ送りは支障がない程度です。電子ペーパーは初めてなのでどんなものなのか興味がありましたが、なかなか読みやすいです。液晶とは違い、ぎらぎらとした感じがありません。ちょっと戸惑ったのはページ送りで、「Kindle ユーザーズガイド」は横書き、ダウンロードした電子書籍は縦書きだったので、ページ送りをするとき、タップする位置が左右逆になります。横書きのマニュアルを読んだあと、縦書きの小説を読むと何度も押し間違えて、ページ戻りを起こし、同じページを読む羽目になりました。これも慣れでしょうが。

あと、Kindleストアでのコンテンツはまだまだ不十分と思います。読みたい本がない、というのはつらいですね。また、無料の青空文庫のすべてのコンテンツがKindleには収録されていないようです。(例えば片岡義男の小説は青空文庫にはありますが、Kindleストアで検索しても見つかりませんでした)このあたりも、充実を急いで欲しいです。

と言うことで、これで、いつでもどこでも電子書籍という環境は整いました。問題は、iPad miniとどう共存させるかです。私の場合は外出時は読書以外の利用が可能なiPad miniで、自宅ではKindleでじっくりと読書する、という方法がしっくりときそうな気がします。両方持ち歩く、というのはちょっと面倒です(というか余り意味がないとも思います)デバイスが増えて、それらをどのように使うか、なかなか悩ましいですね。

Kindlepaperwhite2

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2012年8月18日 (土)

つながらない生活

今年の夏休みの読書は「つながらない生活 「ネット世間」との距離のとり方」( ウィリアム・パワーズ著 有賀裕子訳 プレジデント社 ) でした。原作のサブタイトルに" A Practical Philosophy for Building a Good Life in the Digital Age"とあります。大型書店に並んでいたのをタイトルが気になり、ぱらぱらと目を通してみて購入しました。

ここ数年の間にインターネットに「つながる」環境が急速に普及し、そのことにより、仕事や生活が便利になる一方でかえってあわただしくなってしまったと言う人は少なくないと思います。著者は「つながり至上主義」と称して、「スクリーン(インターネットと接続できる機器)とつながるのは好ましく」、「つながればつながるほど望ましい」という風潮に疑問を呈しています。それにより失われるものは「奥深さ」で、生活、仕事のあらゆる面で奥深さが失われてゆくということです。私が、この本が気になったのは、自分自身が日常生活の中で、ネット依存症になりつつあるのでは、と漠然と感じていたからです。

「外とのつながり」が人間の生き方に関わる事になる事例として、著者は過去の7人の賢人の事例をあげています。古くはプラトン(紀元前427-前347)から、セネカ、グーテンベルグ、ハムレット(シェークスピア)、ベンジャミン・フランクリン、ソロー、マクルーハンと古今の著名な人たちの、当時の新しい技術が人とのつながりに及ぼす影響とそれに賢人たちがどう対処したかを紹介しています。マクルーハン以外は、コンピュータやインターネットとは無縁の時代の人たちですが、それぞれの時代における「外とのつながり」に人は悩み、対処していたことが理解できます。そういう意味では、現代のインターネットへの「つながり至上主義」も古くて新しい問題と言えるかもしれません。著者は、インターネットの普及を否定的には捉えていません。むしろ、そこから導き出される便利さ、世界の広がりを享受しています。しかし、あまりにつながり至上主義に陥ると奥深さが失われると警告しているのです。最後に著者自身が実践している対処方法として、週末2日間を「インターネット安息日」として、インターネットを遮断する生活を実践していることで、生活のバランスを取っているとのことです。

自分自身を振り返ってみますと、過度の依存とまではいかないまでも、つながっていないと不安な気持ちはあります。例えばスマートフォンを忘れて出かけると、決して不可欠なものではないのですが、不安で仕方がありません。また、ずっと以前から、仕事でもプライベートでも海外を含め出かけるときは、いかにインターネットに接続するかという事に腐心しています。それが家族を含めた自分の生活から奥深さを奪い取っているかどうか、そこまでの自覚はあまりありませんが、いつの間にかつながるということ自体が目的になってしまっていることがあります。私も敢えて「つながらない」時間を作ってみるのも悪くはないな、と感じた次第です。と言っても、週末の2日間をネット遮断するところまではいかないでしょうが。

つながる生活とつながらない生活のバランスをいかにとってゆくか、より忙しくなってゆく現代人に一度自分を振り返る機会を与えてくれる示唆に富んだ本と思います。

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2012年3月17日 (土)

Ubuntu Magazine vol.7 、 DELL INSPIRON 5150でLxubuntu

■Ubuntu Magazine vo.7 発売

3月9日に発売され、早速購入しました。今回の特集はサーバーです。ASCIIがサーバー特集をするとは思いませんでしたが、UbuntuもLinuxのディストリだから、いずれは行き着くところかもしれませんね。

執筆陣はUbuntu Japanese Teamの人たちが多いのですが、その人たちの内4人の個人用に構築しているサーバーの紹介があり、4人4様、なかなか面白かったです。

また、記事の中で「ARMを遊びたおす」というのがあり、その記事のメインはなんと私が気になっていた超小型のLinuxマシンの「CuBox」でした。個人輸入の情報なども記載されていて、思わずその気になりかけましたが、少しハードルもありそうで、ポチッとまでには至っていません。

いずれにせよ「日経Linux」とは少し趣が違うサーバー特集で読み応えもありました。「Ubuntu Magazine」はvol.5とvol.6の発行の間に相当のブランクがあり、もう終わりかな、と思っていましたが、しっかりと復活してきています。vol.8の予告もあり、6月発売予定で、内容はそう、Ubuntu 12.04です。

■DELL INSPIRON 5150でLxubuntu
Ubuntu 11.10をインストールしていたDELL INSPIRON 5150でアップデートマネージャに従い、カーネルを3.0.0-16のアップデートをしたら起動しなくなってしまいました。トホホ。もともと起動時にエラーメッセージを出しながら、何とか起動していたのですが、カーネルのアップデートを機にそれもできなくなってしまいました。ブートメニューが出てくれば、以前のバージョンを選択することもできますが、ブートメニューが出る前段階で

    out of disk

とつれないメッセージが出て、私のレベルでは対処のしようがありません。どうしようかと考え、12.04がリリースされるまで放置しておくか、そのつなぎとして、ほかのディストリビューションを入れるか、Ubuntu11.10を再インストールして、カーネルのアップデートはしないようにするか、と色々と迷いました。とりあえずLinux Mint 12をインストールしてみました。Ubuntu同様、エラーメッセージをはきながら何とか起動はしましたが、根っこは同じUbuntuなので、アップデートすれば同じ現象の再現が予想されます。ということで、ライブCDの部屋さんが提供しているLxubuntuを試してみました。これもだめかな、と思いながらインストールして再起動するとうまく起動してくれました。すぐにアップデートの通知が来て、カーネルのバージョンアップも含まれています。ダメもとでアップデートしました。ちょっとはらはらしながら再起動すると何とか正常に起動してくれました。LXDEのせいか本家Ubuntuよりも少し軽快に動いてくれる気がします。webブラウザーくらいしか使っていないので、これでいいのかな、と思いますが、12.04で再度本家インストールに挑戦してみます。

Screenshotlxubuntu

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2012年1月 8日 (日)

「中国モノマネ工場」を読みました

「中国モノマネ工場」(阿甘著、徐航明/永井麻生子訳、生島大嗣監修・解説、日経BP社)を読みました。少し挑発的なタイトルですが、サブタイトルは「世界ブランドを揺さぶる「山寨革命」の衝撃」とあります。山寨(さんさい)とは、ご存じの方も多いと思いますが中国語で、元は山中の砦という意味だそうですが、現在ではコピー、偽物などの意味で使われています。山寨の代表格は中国(特に深せん)で製造、販売されている山寨携帯電話です。他にも中華PADなどとも呼ばれるタブレット端末や、スマートフォンなどもそれに類します。
日本人からすると、これらは、怪しげでまともでないものと解釈されますが、著者はそのようにはとらえていません。「一時の「模倣」はコピー、普遍の「模倣」は革命」とあるように、これら山寨のスタイルを、旧来の大規模なピラミッド組織、ブランドに対する「革命」ととらえ、つまり模倣を肯定的に捉えて論を進めて行きます。

ただ、これはあくまでも著者の考えであり、やはり、コピーは悪いと考える人も多いと思います。模倣に対する日本人と著者との考え方の違いがこの本の特徴と言えると思います。(とは言っても日本もかつては模倣により成長してきたわけですが)以下に著者の言葉を引用します。

「模倣が山寨の最初の生きる道であったことは十分理解できる。もしわれわれが模倣という行為をしなければ、現在でもまだ四大発明(古代中国の四大発明とは、羅針盤、火薬、紙、印刷術である)の時代のままである。絶対多数の革新的なものはすべて模倣から始まっている。後発企業は必然的に先行者の模倣をするが、これは世界共通である。模倣、剽窃からさらには盗版、権利侵害は程度の問題であり、度を超さなければだめとはいえない。」

また、著者は垂直統合の生産形態と水平分業による生産形態の違いを説明しながら山寨の特徴を解説して行きます。低迷している現在の日本の製造業の状況、ものづくりのあり方について考える上でも参考になりそうです。

私は山寨の怪しげな部分の文化的意味合いに興味があり、本書を読み進めましたが、文化的側面に触れた部分もありますが、それ以上に産業としての山寨についての考察が主要部分を占め、そういう意味では期待は裏切られましたが、別の大きな衝撃を与えてくれました。

この本を読むときはまず「まえがき」を読み、次に最後の「解説」と「訳者あとがき」を先に読んで全体の概要をつかんでから本文を読むと分かり易いと思います。一読に値する本と思います。

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