Raspberry Pi3とUbuntu MATE
Raspberry Piのラインアップに新たにRaspberry Pi3 Model Bが加わりました。
従来のRaspberry Pi2 Model Bとの主な違いは、CPUの性能アップと、Wi-Fi、Bluetoothが内蔵されたことです。

私は日経BP社の本体+ケース+「ラズパイマガジン2016年6月号」のセット(8,672円)を申し込み、4月19日に到着しました。
新しいRaspberry Pi3は形状はRaspberry Pi2とほぼ同じですが、micro SDカードのスロットが微妙に異なっていて、同時購入したケースに入れた状態では、SDカードの取り外しができませんでした。
Raspberry Pi2で使っていたRaspbian Jessie 2016-02-26 をインストールしたmicro SDカードを装着したところ、問題なく起動しました。Wi-Fiも接続出来ました。電源は2.5Aが推奨でしたが手元になかったので、2AのACアダプターで接続しましたが、動作しました。USBポート4つ全てを使うような状況でなければなんとか動くのかもしれません。KSYからRaspberry Pi3対応の2.5Aの電源が販売されているので注文をしました。少し使ってみての印象は、体感的には気持ち早くなったかなあ、といったところです。Raspbianは問題ありませんでしたが、以前記事にした、Ubuntu 14.04LTS ( GNOME FlashBack)は起動しませんでした。SoCの変更により、対応しなくなったのではと思います。対処方法はあるかもしれませんが、自力では無理で、残念と思いつつ調べてみると、Ubuntu MATE(マテ)がRaspberry Pi2/3版をリリースしています。Ubuntu MATEは、デスクトップ環境にUnityではなく、GNOME2をベースにしたMATEを採用していて、Ubuntuの公式フレーバーとなっています。Unityよりも軽量のようです。今回はUbuntu MATEをインストールすることにしました。

■インストール手順とインストール後の設定
インストールのための準備はWindows PCを利用しました。
1. 準備するもの
Ubuntu MATEをインストールするために、新品もしくは消去しても構わない8GB以上(できれば16GB以上)のmicro SDカードを用意します。すでにデータが入っている場合は、SD Formatterなどで、フォーマットしておきます。(下記リンクの「1.microSDカードのフォーマット」の項参照してください)
http://mobilenikki.cocolog-nifty.com/wzero3/2015/10/raspberry-pipct.html
2. Ubuntu MATE for the Raspberry Pi のダウンロード
下記サイトからイメージをダウンロードします。
https://ubuntu-mate.org/raspberry-pi/
ダウンロードしたのは、最新のリリースの Ubuntu MATE 16.04 でした。約1GBあります。
ダウンロードしたのは、最新のリリースの Ubuntu MATE 16.04 でした。約1GBあります。

3. ファイルの展開
ダウンロードした
ubuntu-mate-16.04-desktop-armhf-raspberry-pi-2.img.xz
を7zip等で展開(解凍)して、イメージファイルをPCの適当な場所に保存します。(約8.1GB)
4. micro SDカードへの書き込み
用意したmicroSDカードをPCに装着し、Win32DiskImagerを起動して、
イメージファイル(ubuntu-mate-16.04-desktop-armhf-raspberry-pi.img)をmicroSDカードに書き込みます。
Win32DiskImagerの「Image File」は展開、保存したファイルを指定。「Device」は、microSDカードを装着したドライブをして、「Write」で書き込み開始。


Win32DiskImagerの「Image File」は展開、保存したファイルを指定。「Device」は、microSDカードを装着したドライブをして、「Write」で書き込み開始。
5. Ubuntu MATEのインストール
イメージの書き込みを完了したmicr SDカードをRaspberry Piに挿入し、電源を投入すると、Ubuntu MATEのインストール画面が表示されます。標準のUbuntu同様、国情報、キーボードレイアウト、アカウントを設定し、再起動するとUbuntu MATEが起動します。

6. ファイルサイズの変更
インストール直後は、micro SDカードの容量に関係なく、ファイルシステムのサイズが約8GB超となります。16GB以上のmicr SDカードを利用しているときは、以下の設定で、SDカードの容量がフルに使えるようにします。
6.1 MATE端末を起動
アプリケーション → システムツール → MATE端末
6.2 パーティション2の削除
sudo fdisk /dev/mmcblk0
Command (m for help): d
Partition number (1,2, default 2): 2
6.3 パーティション2の新規作成
Command (m for help): n (新しいパーティションを指定する)
Select (default p): p
Partition number (2-4, default 2): 2
First sector (133120-120946687, default 133120): (Enterキーだけ押す)
Last sector, +sector of +size{K,M,G,T,P} (133120-120946687, default 120946687): (Enterキーだけ押す)
6.4 設定の保存
Command (m for help): w
6.5 再起動とファイルサイズの変更
Raspberry Piを再起動し、MATE端末を起動して、下記コマンドを実行
sudo resize2fs /dev/mmcblk0p2
これでファイルシステムのサイズがmico SDカードの容量一杯に変更されます。
これでファイルシステムのサイズがmico SDカードの容量一杯に変更されます。
7. 日本語環境のインストール
MATE端末を起動して、
sudo apt-get update
sudo apt-get install fcitx fcitx-mozc
8. 解像度の設定
私のディスプレイはHDMI接続で、1440x900ピクセルの解像度ですが、インストール後は1240x768ピクセルに固定されていて、GUIの設定画面では変更できませんでした。そこで、/boot/config.txtを編集して指定しました。nanoもしくはviなどのエディターで編集します。
sudo nano /boot/config.txt
で、ファイルの最後の部分に
hdmi_group=2 # DMT
hdmi_mode=47 # 1400x900 60Hz
などのように、解像度を設定します。設定する値はディスプレイにより異なり、下記を参照に数値を決めるとよいでしょう。
https://www.raspberrypi.org/documentation/configuration/config-txt.md
https://www.raspberrypi.org/documentation/configuration/config-txt.md
8. LibreOfficeの日本語化
標準でインストールされているLibreOfficeは5.1.2で最新に近いものです。メニューが英語で表示されますので、必要に応じて、以下で日本語化します。
sudo apt-get update
sudo apt-get install libreoffice-l10n-ja
sudo apt-get install libreoffice-help-ja
sudo reboot (再起動)
9. 背景、レイアウトを変更する場合は、以下のメニューで設定します
背景(壁紙)の変更
システム - 設定 (- ルック&フィール) - 外観の設定
デスクトップのアイコン、テーマの変更
システム - 設定 (- ルック&フィール) - MATE Tweak
■使ってみて
Ubuntu MATEは、Ubuntu GNOME FlashBackと比較すると驚くほど簡単にインストールできました。Raspberry Pi3のCPUの高速化とも相まってかなり軽快に動きます。慣れているUbuntuが使えるのは魅力です。これからのRaspberry PiのOSはUbuntu MATEで決まりになりそうです。
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