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2013年2月16日 (土)

「デジタルネイティブの時代」を読んで

以前から「デジタルネイティブ」というと言われる世代の行動特性に興味があり、以前、このブログにも書いたことがあります(これこれ)。最近では、デジタルネイティブだけではなく、「ソーシャルネイティブ」、「スマートネイティブ」などという言葉もみかけるようになりました。2008年にデジタルネイティブのことをNHK特集で放送された時、デジタルネイティブ、つまり生まれた時からデジタル環境にいる世代の特徴として、
     1.現実とネットを区別しない
  2.情報は"無料"と考える
  3.年齢や肩書き、所属を重視しない
とあり、彼らが若くして(中学生!だったと思います)起業したり、知らない人たちと積極的にコミュニケーションを取ったりする姿が印象的でした。デジタルネイティブはこれからどんなことをしてくれるのだろう、という、どちらかというとポジティブな面に関心を持っていて、そこでこの本「デジタルネイティブの時代」(木村忠正著、平凡社新書)を見つけた時、そのようなイメージで読み始めたのですが、期待は見事に裏切られました。

著者の木村忠正さんは文化人類学者で、徹底した学術的アプローチ(調査)でデジタルネイティブ世代を分析します。分析手法にも相当の紙幅が割かれていてかなり「硬い」本です。サブタイトルに「なぜメールをせずに「つぶやく」のか」とありますが、著者は、日本のデジタルネイティブの特性として、「空気を読む圧力」「テンション共有」「高い匿名性指向」「不確実性回避傾向」の4つをあげています。あくまでも対象は「日本」のデジタルネイティブです。

特性の一つである「空気を読む圧力」について言えば、例えばメールでは、メールが来たらすぐに返信しなければならない、すぐに(返信が)返ってこないと、何か悪いことをいったのかという圧力が存在し、人間関係が複雑になる多感な中学生の頃にこうした経験を積み重ねることにより、だんだんメールから遠ざかる、と言うものです。そういう人たちは、空気を読む圧力をあまり感じないtwitterなどを利用するようになると分析しています。こう書くとあっさりしていますが、著者はこのことを多くの調査(Web、聞き取り)により得られたデータを丹念に分析してゆきます。

この本は、デジタルネイティブの世代を必ずしも否定的、悲観的なものとして捉えているわけではありません。ただ、少子高齢化が進む日本で、高度な情報ネットワーク基盤、産業力を日本社会が十分に活かすには上記のデジタルネイティブの特性に見られるような克服すべき課題があると指摘しています。グローバルに情報ネットワークが進化し、それにより政治、産業、文化が大きく変わる可能性を秘めている中、日本だけが取り残されないよう、若い人たちが力を発揮できる環境を作る努力をしなければならないのではと感じました。

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