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2012年1月 8日 (日)

「中国モノマネ工場」を読みました

「中国モノマネ工場」(阿甘著、徐航明/永井麻生子訳、生島大嗣監修・解説、日経BP社)を読みました。少し挑発的なタイトルですが、サブタイトルは「世界ブランドを揺さぶる「山寨革命」の衝撃」とあります。山寨(さんさい)とは、ご存じの方も多いと思いますが中国語で、元は山中の砦という意味だそうですが、現在ではコピー、偽物などの意味で使われています。山寨の代表格は中国(特に深せん)で製造、販売されている山寨携帯電話です。他にも中華PADなどとも呼ばれるタブレット端末や、スマートフォンなどもそれに類します。
日本人からすると、これらは、怪しげでまともでないものと解釈されますが、著者はそのようにはとらえていません。「一時の「模倣」はコピー、普遍の「模倣」は革命」とあるように、これら山寨のスタイルを、旧来の大規模なピラミッド組織、ブランドに対する「革命」ととらえ、つまり模倣を肯定的に捉えて論を進めて行きます。

ただ、これはあくまでも著者の考えであり、やはり、コピーは悪いと考える人も多いと思います。模倣に対する日本人と著者との考え方の違いがこの本の特徴と言えると思います。(とは言っても日本もかつては模倣により成長してきたわけですが)以下に著者の言葉を引用します。

「模倣が山寨の最初の生きる道であったことは十分理解できる。もしわれわれが模倣という行為をしなければ、現在でもまだ四大発明(古代中国の四大発明とは、羅針盤、火薬、紙、印刷術である)の時代のままである。絶対多数の革新的なものはすべて模倣から始まっている。後発企業は必然的に先行者の模倣をするが、これは世界共通である。模倣、剽窃からさらには盗版、権利侵害は程度の問題であり、度を超さなければだめとはいえない。」

また、著者は垂直統合の生産形態と水平分業による生産形態の違いを説明しながら山寨の特徴を解説して行きます。低迷している現在の日本の製造業の状況、ものづくりのあり方について考える上でも参考になりそうです。

私は山寨の怪しげな部分の文化的意味合いに興味があり、本書を読み進めましたが、文化的側面に触れた部分もありますが、それ以上に産業としての山寨についての考察が主要部分を占め、そういう意味では期待は裏切られましたが、別の大きな衝撃を与えてくれました。

この本を読むときはまず「まえがき」を読み、次に最後の「解説」と「訳者あとがき」を先に読んで全体の概要をつかんでから本文を読むと分かり易いと思います。一読に値する本と思います。

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